【本日の記事】ケープタウンとヨハネスブルグ、どっちが稼げるの?
Cape Town vs Johannesburg vs 50 major cities: Where can you earn the best salary?
【元記事】
「ケープタウンとヨハネスブルグ、そして他の50の大都市で、一番給料がいいのは?」
という、ヨハネスブルグに住んでいる身として、めっちゃ気になってしまうタイトル。
前身の記事として、こんなのがあったそう(2018年)↓
平均の家賃は、ケープタウンのほうが45%高いそう。中心地の不動産だと141%もヨハネスブルグのそれより高いのだとか。
一方ヨハネスは3.25%ほど食料品が、9%ほど外食が高くつくとか。また街を移動するのに、ヨハネスブルグのほうがお金がかかるといってます。
総合的に、ケープタウンのほうが生活費は高くつくそうです。とくに不動産が高い。
月給を比較すると、なんとヨハネスブルグのほうが26%も高い。
ということが書いてあります。
これを踏まえ、さらに50の都市を加えて給与を比較したという今回の記事。
一番給与水準が高いのは、サンフランシスコ。(まあ、納得か)
ランキングを見ると、アメリカと北欧の都市が並びます。
さて、南アフリカの話にすると、今年の新しいデータだと、ほぼ2都市の月収は同じくらい。
他国の都市と比べると、サウジアラビアのリヤドや、チェコのプラハに近い。意外なことに、上海よりヨハネスブルグが上になってる。
いずれの都市も、他のアフリカの都市に比べると、群を抜いて給与が高いよう。
はて、でも給与を比べて何になるんだろ
と、かなり興味深い記事だったけれど、ふと南アフリカの経済構造を見てみると、給与を単純に比べたところでは見えない、深い問題もある。
ヨハネスブルグには、近隣のアフリカ諸国などから出稼ぎ労働者も多く、インフォーマルに働いている人も多い。日雇い暮らしもいるし、街を運転すればわかるけれど、物乞いをして生きている人もいる。個人経営のお店など給与ベースで働いていない人も含まれない。
同様の生活をしている人はケープタウンにも多い。一般的に(統計的にも、南アに住む人に聞いても)ケープタウンのほうが格差が大きいといわれており、「平均」であればヨハネスブルグのほうが大きいが、おそらく上下のギャップが大きいことも予想できる。
また、不動産価格がべらぼうに高いケープタウンには、不動産などの投資によって収入を得ている人も、給与の比較には反映されない。
最近ヨハネスブルグの不動産をいろいろみているのだけど、開発が進んでいるところと、いわゆる移民が多く半分無法地帯(あるいは無法地帯だった)ところの地価は、同じヨハネス市内であっても倍近く異なる。
レストランの価格についても同様。エリアによって、生活費も大きく異なる。
統計は面白いけど、実態はもっと多様で複雑であることは、忘れてはいけないポイントですね。
FYI
探したら、南アの3大都市、ケープタウン・ヨハネスブルグ・ダーバンを比較した記事もありました!
(ケープタウンが一番安全?購買力はダーバンが一番?ほんとなのかな)
【本日の記事】イスラエルで開催のユーロビジョンで、パレスチナの国旗を掲げたマドンナ
Madonna Surprises Eurovision With Palestinian Flag on Dancer's Back
【元記事】
これは結構面白い記事。
今年は、イスラエルのテルアビブで「Eurovision Song Contest(※)」が開催されたわけですが、そこでのマドンナのパフォーマンスについて。
※毎年ヨーロッパで行われる音楽コンテスト。優勝者の母国が次回のコンテスト会場になる。昨年2018年はイスラエル人が優勝したため、今年はテルアビブで開催されることに。かつてABBAやセリーヌ・ディオンもこの大会で優勝した。
イスラエルは政治的に多くの問題を抱えているので、BDSなどのボイコット運動など政治に関する問題をさけ、出場を見送るアーティストもある中、スペシャルゲストとしてマドンナがステージに登場。
2人ダンサーの衣装の背中に、それぞれイスラエルとパレスチナの国旗があり、物議をかもしているそうです。
「共存」「融和」を意味したパフォーマンスだといわれています。
運営側によると、リハーサルではこのようなパフォーマンスはなく、事前に知らされていなかったといいます。
さすがのマドンナさま。
ここまであきらかに政治的な表現を、堂々とできるアーティストは、たぶんあまりいない。
ちなみにマドンナがイスラエルでパフォーマンスをしたのは今回で4回目。
パフォーマンス以外でも何度かイスラエルを訪れているといいます。
他の記事では、このことに関して、イスラエルの文化相は、「ステージの上にパレスチナの国旗が上がるべきではなかった」とご立腹だったそう。
【本日の記事】Facebookの不正アカウントについて
Facebook bans "inauthentic" accounts targeting Africa
【元記事】
Facebook社が不確実な(本物でないと疑われる)アカウントを禁止したという話。
“不確実な(疑わしい)アカウント”は、世界各国で、特に選挙の時に見られ、政治関連の投稿をするといいます。
こうした不確実なアカウントによる、不正確な情報を制御できなかったことで、当社は批判にさらされており、アメリカの大統領選挙(トランプが勝ったやつ)の後に、ファクトチェックプログラムをいれたとのこと。
記事によると、イスラエルで作られ、ナイジェリアやセネガル、トーゴ、アンゴラ、チュニジア、ニジェール、また一部ラテンアメリカや東南アジア諸国をターゲットとした265のアカウントを封鎖したといいます。
調査によると、一部のこうした活動は、イスラエル企業のArchimedes Groupが関わっているとか。現在このイスラエル企業と関連団体はFacebookから追放されている。
こうしたアカウントの裏では、12男から19年の間で、Facebook広告に$812,000も使っていたそう。通貨はブラジル、イスラエル、アメリカのものが使われていたといいます。
先ほど上がった6つのアフリカ諸国のうち5つは、2016年に選挙が、チュニジアは今年選挙があります。
選挙に関連した、ひとびとの投票に影響する情報操作に対して、Facebookは批判にさらされています。
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なんだか、国家規模の大きな話で、なかなか実感をもってとらえられないですね。。。
選挙というのは、明らかに情報操作すべきでないもので、情報操作によって明らかにメリットを被る人がいます。
が、こういう話を聞くと、日々の購買行動や思想など、様々なレベルで操作されうるというのが明らかで、資本や業界の独占よりも、情報の独占というのは恐ろしい…特にGoogleやFacebookのような巨大がプラットフォームが陰で私たちの生活や考え方、思想に与える影響は莫大なのだな、ぼんやり考えました。
【本日の記事】日本の難民認定率
Japan Accepts Far Fewer Refugees than G7 Peers
【元記事】
日本の難民認定率についての記事。
G7の含む主要国の難民受け入れ率に比べ、日本のものが極端に少ないといわれて久しいですが、2018年も、難民申請率に対する受け入れ率は1%を下回りました。
トランプさんがメキシコとの国境に壁を作るといったアメリカでも、認定率は60&を超え、ドイツでも40%以上。それに比べ日本は、0.3%です。
日本出国前にインタビューしたものの一つに、「難民支援協会」さんがあります。
難民として命からがら来た人の、難民申請の支援をする組織ですが、しっかりと証拠を立証しないといけない、書類(一人につき10cm以上にもなる)を日本語で用意しないといけない…など、様々な話を聞きました。
長くなるので、細かいことはここでは書きませんが。
日本には難民認定する特別な組織があるわけではなく、入国管理局の仕事の一文案ですよね。なので、そもそもの組織のスタンスが、ほかの先進国と異なる、とも言われています。
難民救済を目的に、各国の事情を知った専門家が行っているのではなく、不当な入国を「管理」する国の守衛のような人、そのようなメンタリティの人が担当しているのですから…
単純に数字を上げればいい、というわけではありませんが、改善の余地はある、といってよさそうです。
※ちなみにこちらのnippon.comは日本財団関連のメディアで、日本関連のニュースが各国語で掲載されているので面白いです!以前、友人がアラビア語通訳者として働いていました
Living Wage /Are you paying your domestic worker enough?
loLiving Wage
Are you paying your domestic worker enougLi
Living Wage
Are you paying your domestic worker enough?
と題されたこのサイトは、家政婦さんに日給いくら払っているのかによって、それが彼らにとって十分な金額なのかどうか見るもの。
南アフリカの上流階級の人たちは、大きな家に住んでます。
庭やプールがついていることもざら。(現に今住んでいるパートナーの家もそう。彼はいわゆる"白人"ではないので、ある一定の経済レベルの家には、家政婦さんがいるのは珍しくありません)
このサイトでは、その日給で家政婦さんが生活できるのか?
子どもは何人いる?交通費や食費、学費を賄おうとしたらいくらいる?
雇う側に対して、適切な感覚を与えるツールだと感じました。
Code for South Africa
これを作っているのはCode for South Africa という団体です。
行政管轄の非営利団体で、オープンデータやテクノロジーを、ソーシャルグッドや人々の適切な意思決定のために使えるように研究・活動しているようです。
Code for South Africaが開発したツールは、Living Wageだけにとどまりません。
こちらはインフォーマルセトルメント(非公式な居住地区・スラムのようなところ)の衛生環境などの実態を可視化したもの
2013-2014年のプロテストの時系列・地図上に記録したもの
などなど。
南アの現状を知る、興味深いツールがありました。週末にいろいろ見てみようと思います!
【本日の記事】国を離れる南アフリカの若者たち
Young South Africans speak: Why we are leaving the country
【元記事】
南アフリカの若者が、国に希望を感じず国外に出て行ってしまっているというニュース。
大統領が、若者に対して、国外に行かないように、行ったものは帰って国の発展に寄与するように訴えた、というけれど、それなりのインセンティブがないと難しいように感じるなあ…
私のパートナーも南アフリカ人ですが、親戚にはドバイやロンドンで働いている人、幼少期をオランダで過ごした人なども多いです。(いわゆる黒人の人なので、幼少期の国外滞在は、教育の機会を求めたり、アパルトヘイトから逃れるためだったのかもしれませんが…)
英語圏であり、英語でビジネスを容易にできる優秀な人材にとっては、国外にも多くの可能性がありますよね。
ここでは編集部に送られた、大統領向けの多くの手紙の中から、ピックアップされた15人の若者の声が紹介されています。
政府の腐敗、いまだに基本的な電気や教育が行き届かない現状に憤る声や、大学の学位を2つとっても、3年間無職で国への想いが薄れてしまたという声など。
「教育があれば貧困から抜け出せる」と信じ、弟たちにも行ってきたが、学位を取っても無職。今は、教育はこの国を出て、よりよい暮らしを手に入れるためのものだと思っている、という声。マンデラ亡き後のリーダー不在を嘆く声。
BEE(アパルトヘイト後に制定された黒人の雇用を促進するための法律)が国をだめにしている。能力ではなく肌の色で判断されているという声。本当は国を出たくないけれど、職をもとめて国外に出るという声。
若者の声が政治に届かないことを嘆く声。
政治の機能不全、若者に国に残るように言うのであれば、それなりの価値を教えてほしいという声。
その中でも、国をよりよくするために、もっと多くの人が国外に住む経験をするべき、という声も。
アファーマティブアクションがとられる南アフリカ。
それによっていわゆる”白人”と呼ばれる人々も職を得ることが難しくなったといわれています。
しかし、この声を聴くと、決して”黒人”と言われる人々も簡単に職を得られているわけではありません。「教育によって貧困を脱出する」と意気込んだものの、学位を複数とっても職がない、という状況があります。
この記事を読んで、そして個人的にいろんな人の話を聞いて思うのは、これま肌の色に関係なく、とにかく絶対数として職がないということ。
アパルトヘイト時代は、”白人”に独占されていた人材市場が、それの何倍もの人口の有色人種にも開放された。経済規模が同じであれば、当然競争が増すだけです。
それまでと同じように学位を取っても、その受け皿がない。
中には、BEEのせいで肌の色で逆差別が起きている。という声があるのは、理解はできます。
しかし、問題はそんなに単純ではないという感じられるのです。
BEEがあったとしても、それまで不利益を被ってきた人の中には、まだ基礎教育にすらしっかりとアクセスできない人もいます。
利益の分配にも、まだまだ問題はあります。
教育にアクセスできたとしても、職はない。それは肌の色関係なく起こっていることです。
若者(特に歴史的ハンデのある有色人種)は、良い職(バンカーやコンサルなど)についても、パートタイムでMBAなどの学位をとる人も多いといいます。
そこまでしないと職がない。そうした職歴と学歴があるひとが、一部の少ないパイを握っているように思えます。
あと、もう一つ面白い事実としては、国をでていく若者も多いものの、南アフリカに移住してくる人も多いということ。(自分もしかりですが)
特に他の英語圏が多いですが、ほかにも欧州の国から移住してくる人もいます。わたしも数か月の短い滞在で、何人も会いました。ほぼみんなヨーロッパから。
気候がとてもいいし、物価もそんなに高くないし、ある程度学歴もスキルもある人たちにとっては、とても住み心地のいいところなんだとか。
いくつもの階層に別れた社会が垣間見えます。
【本日の記事】南アフリカの最低賃金について
Meet the South African family who lives on R3,500 a month
【元記事】
タイトルにあるR3,500というのは、日本円にして約2万6,900円。
南アフリカの経済は、最も格差の多い経済のひとつ。(この記事にはありませんが、失業率は30%弱。若年層に限ると半数近くが失業状態です)
南アフリカで初めて制定された最低賃金法。最低時給をR20(約160円)、最低月給を月給R3,500にするというもの。
南アフリカの労働人口の47%に当たり600万人の人々が、この法律によって利益を受ける見込み。
しかし、この記事の例に出ているシングルマザーの家庭では、月R3,500のうち、R1,000は交通費(7時からのシフトのため、朝2時のバスに乗るという)、R500は子どもの大学費用(大半は国からの補助が出ているが、プラスで必要な費用)、R300は仕事の時の昼食代、残りは貯蓄などにあてる。結局生活が苦しいことには変わりない。
政府によると、フルタイムで働いている人の54%が、ワーキングプアの状態だそうで、特に女性主体の家庭に多いといいます。
こうした貧困や格差の問題に対し、国は労働法の制定などを進めているとのこと。
最低賃金より低い金額で雇用した、雇用主をレポーティングするシステムなど、これから様々な仕組みが整っていくようです。
南アフリカにいて思うは、本当に、格差がすごい。
ヨハネスブルグもSandtonなどに行けば、浮浪者もあまりいないし、高層ビルが立ち並び、ヨーロッパの延長のよう。ケープタウンの中心地もしかり。
また、RosebankあたりもFirst economyの人が多いけれど、物乞いも多い。
CBDの方に行けば、末で違う国のよう(こちらの人に言わせれば、CBDのあたりのほうがマジョリティーの世界だといいますが)。
この貧富の格差には、少なからず肌の色の違い、25年前の分離政策の影響があります。
制度によって刻まれた教育水準や資産の違いは、簡単には解消されません。